最高裁は、12月19日、これまで「預貯金は遺産分割の対象とならない」とされていた判例を変更しました。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354       最高裁判例

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19HAR_Z11C16A2EA2000/ 日本経済新聞
http://mainichi.jp/articles/20161219/k00/00e/040/214000c      毎日新聞

「預貯金は、相続開始時に法定相続分に応じて当然に分割される」とされてきましたが、「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる」と異なる判断がなされました。

預貯金を法定相続分で分割してしまうと、多額の生前贈与を受けていた相続人と受けていなかった相続人の間では不公平が生じます。これが解消されることになるので、この判例変更は然るべきものだと思います。

が、

今かかわっている相続の案件。相続財産は預貯金のみ、遺産分割協議に非協力的な相続人がいるため、分割協議書の作成を断念し、「銀行に各相続人が個別に法定相続分での払い戻し請求を行う」というもの。
この状況でこの判決。困った事態になった。